シンポジウム抄録 2
「報道の立場から見た医療事故の現状と専門医制度への提言」
鈴木 敦秋
医療事故が社会問題化するきっかけになった、横浜市大病院の患者取り違え事故(1999年1月11日)から6年余り。国民の医療不信は根強く、患者、医療者、メディア間の“溝”はなかなか埋まらないようにみえます。医療の安全や質について、今、どんな事象が新聞のニュースになっているのか、医療事故がなぜ社会問題になり、どう報道されてきたか――の2点を考えることから、現状に対する認識を述べます。その上で、なぜ、専門医制度の改革が必要なのか、日本矯正歯科協会の技術認定制度が社会にとってどんな意味を持つかについて、意見を述べたいと思います。観念論ではなく、現場に即した内容を考えております。
鈴木敦秋氏
読売新聞記者
明治大学文学部卒、総合商社勤務を経て、1990年読売新聞社入社。
1994年から社会部。「連鎖過誤」、「続 連鎖過誤」、「大学病院を問う」、
「医療 信頼への道」、「安心の設計」などのシリーズ連載にあたる。
著書に,『大学病院に,メス!-密着1000日、医療事故報道の現場から』
(講談社、2003年7月)など。