歯科医師・歯科矯正医の職務基本規程
第4章 患者との関係における規律の各論
<第2節 患者の福利の増進に関する規律>(対診またはセカンド・オピニオン) | |
第39条 | 会員は、患者がセカンド・オピニオンを求めた場合は、進んで対診を求めなければならない。
2 会員は、自己の知識、技術の範囲を超えると判断した患者については、患者の同意を得て、すみやかにそれぞれの専門医に対診を求め、お互いにその領域を尊重しつつ協力し、患者の診療に最善を尽くさなければならない。
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(他の会員ならびに専門分野の歯科医師との連携) | |
第40条 | 会員は、他の会員ならびに専門分野の歯科医師と連携して患者を適切に治療しなければならない。
2 会員は、患者の利益のために相互に協力し、社会に対する責務を果たし、歯科医師以外との関係者との協 力関係を保持しなければならない。
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(転医による歯科矯正治療の継続) | |
第41条 | 会員は、患者が転居などの事由により転医を要する場合、歯科矯正治療の継続が円滑に行われるために必要な資料と共に、治療方針、治療期間、治療費の支払状況などの事項を転医先の会員に知らせなければならない。また転医先の会員は、患者の同意を得て、前矯正医にこれを求めることができる。
2 前項の通知で不充分と思われるときは、治療継続の依頼を受けた会員は、患者の同意を得て、前矯正医に対し、その他の情報を求めることができる。 3 前矯正医より紹介された患者については、継続して治療を行い、治療を終了しなければならない。
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(転医によらない歯科矯正治療の継続及び終了) | |
第42条 | 会員は、患者の依頼により、前矯正医が治療を行っている患者の治療を継続してもよい。しかしながら、患者が求める理由を判断するためには、患者の同意を得て、前矯正医に相談することが望ましい。患者の同意が得られない場合は、患者の受け入れをしなくてもよい。
2 会員は患者の依頼により、前矯正医が装着した矯正装置の除去を行ってもよい。しかしながら、患者が求める理由を判断するためには、患者の同意を得て、前矯正医に相談することが望ましい。患者の同意が得られない場合は、患者の受け入れをしなくてもよい。
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(患者紹介) | |
第43条 | 会員は、適切な方法で患者紹介を行わなければならない。
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(資格を超えた診療行為) | |
第44条 | 会員は、資格を超えた診療行為を行ってはならない。
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(診療補助者の業務に関する監督) | |
第45条 | 会員は、自己の診療所に勤務する歯科技工士、歯科衛生士、歯科助手が職務範囲を逸脱することのないよう、指導・監督しなければならない。
2 会員は、歯科医師としての資格を必要とする医療行為について、他の者に委ねてはならない。 3 会員は、診療補助者の健康を守らなければならない。
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(医療従事者等の指導監督) | |
第46条 | 会員は、医療従事者など自らの職務に関与させた者が、その者の業務に関し違法もしくは不当な行為を行わないように指導監督しなければならない。
2 会員は、医療従事者が診療の業務に関して知り得た秘密を漏らし、もしくは利用することのないように指導及び監督をしなければならない。
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(薬物、材料、治療法の規制と公開) | |
第47条 | 会員は、歯科界において普遍的に効果が認められていない薬物、材料、治療法を安易に患者に使用してはならない。
2 会員は、歯科矯正器具、材料、治療法に関して新しい考案をした場合には歯科医療の進歩、発展のために公開することが望ましい。ただし、当該案件に関する特許権、著作権は尊重されなければならない。
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(患者との私的な関係) | |
第48条 | 会員は、不適切な患者との私的な関係を持ってはならない。
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(主治医としての責務) | |
第49条 | 会員は、受診した患者に対して、主治医としての責務を果たさなければならない。
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(研究と発展) | |
第50条 | 会員は、国民の健康を守り増進したりするため、研究の成果と利益をあらゆる人に還元しなければならない。
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<第4章 <第3節 公平性に関する規律> に続く>