学術大会報告
後援: |
公益社団法人日本歯科医師会 特定非営利活動法人日本歯科矯正専門医認定機構(JBO) 特定非営利活動法人日本歯科矯正専門医教育機構(JAO) |
今年のJIO学術大会は、昨年に引き続き日本歯科矯正専門医学会JSOとの合同開催で行われました。
今回はテーマを「適切な歯科矯正治療の普及を目指して」としアルカディア市ヶ谷私学会館霧島の間にて開催されました。
トップバッターとして愛媛県新居浜市の和島武毅先生が「非抜歯症例における保定後の変化-小臼歯抜歯による再治療から考える-」と題し症例報告をされました。
非抜歯にて叢生歯列の矯正治療を行った症例が、保定治療後に術前の叢生状態とほぼ同じ状態になった結果を踏まえて、抜歯を行ったうえで再度治療を行った症例を供覧されました。非抜歯治療を選択した背景に、ご自身の卒後の教育経歴が複雑であったことを挙げられ、治療方針を決めるにあたり、しっかりとした卒後教育を受けることが重要であることをお示しになりました。
和島武毅 先生 |
症例報告
「非抜歯症例における保定後の変化-小臼歯抜歯による再治療から考える-」
和島 武毅 先生(新居浜市開業)
・抄 録
症例報告の二番手として、富山県魚津市の関康弘先生が「今やらないと手遅れになると言われた -絶望的な非抜歯拡大矯正-」と題し発表されました。
関先生は、ご自身の近医が、患者さんに「舌房を拡げないと窒息する危険性がある」と危機感を持たせ、混合歯列期に3Dリンガルアーチによる拡大を行った結果、上突咬合、開咬合、の状態となった症例を引き継がれ、抜歯を行いリカバリーした症例を供覧されました。同様な状態の転医症例が数多くあることから、様々な状態の患者さんに対し、画一的な治療方針しか示せない歯科医師の未熟さに警鐘を鳴らすとともに、思うように行かなかった治療結果をきちんと分析し、その後の診断にフィードバックさせることの重要性を力説されました。
関康弘 先生 |
症例報告
「今やらないと手遅れになると言われた -絶望的な非抜歯拡大矯正-」
関 康弘 先生(魚津市開業)
・抄 録
症例報告に引き続き、長野県上田市の大野秀徳先生が「抜歯・非抜歯に関するアンケート調査結果と文献的考察」と題し発表されました。
JSO会員に対し行われた抜歯・非抜歯に関するアンケート調査を報告するとともに、アンケート調査の本来の目的でもある矯正治療に関するガイドラインの作成に関して、今までの経緯と今後の方針について報告されました。JIOの活動目的でもある、安心で安全な歯科矯正治療の普及を進めるにあたり、歯科矯正治療の最低限の基準としてガイドラインの作成が必要であることを述べられました。
大野秀徳 先生 |
講 演
「抜歯・非抜歯に関するアンケート調査結果と文献的考察」
大野 秀徳 先生(上田市開業)
・抄 録